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たかがものもらいと侮るなかれ


アフターコロナになってから瞼が腫れて来院される患者様が増えている気がしています。

ものもらいくらいで眼科に行くなんて…と薬局で抗菌目薬で治してしまう方も多いかもしれません。


しかしものもらいもこじらせると大変です。


写真の方は受診される2ヶ月前くらいから、ものもらいが悪化したり良くなったりしていたそうです。

しかし2ヶ月位して、急速に大きくなってきて、点眼薬を処方されたようですが、良くならないということで来院されました。




大きな腫瘤の中には黄色っぽい膿も透けて見えます。

ものもらいで視界も遮られてしまっています。



このものもらい、正式には霰粒腫という病名です。

まぶたの中には瞼板という、油を作る腺組織の塊があります。マイボーム腺といって、涙の中の油成分を作っているところです。

この油が目詰まりを起こすと瞼板の中に油が溜まってしこりを触れるようになります。まだこの時点では痛みはなく、しこりが触れるだけなのですが、その中身が炎症を起こすと急激に腫れて痛みが出てきます。


なので、この方の経過は2ヶ月位かけて徐々に溜まっていった油が炎症を起こしたということなんですね。



この方は即日切開手術を希望されました。


麻酔の最中から膿が溢れ出し、かなり痛そうでしたが、摘出後は楽になったそうです。





術後1週間後の様子です。


腫瘤のあった皮膚のところはやや赤くなっていますが、痛みもなく、だいぶ小さくなっています。

しかし皮膚の赤みはその後もしばらく続いています。



霰粒腫の切除のタイミングは難しいです。

切らないで治ることも多々ありますし、切ると傷口が残るのを気にする方もいます。

しかし、破裂してしまうと、一番傷口が目立つようになってしまうものです。

切るか切らないかの判断は、皮膚や組織のダメージが最小限になるようになされないといけません。


中身が多いと点眼や軟膏ではなかなかスッキリと良くならないことが多く、時間も数ヶ月かかることもあります。

まぶたを裏返して確認して、裏側に近く、透けて見える場合は裏側から切開することで皮膚にダメージなく、早く治せることもあります。

その場合は積極的に手術をおすすめしています。


赤く腫れている場合は、炎症が広範囲に広がっており、麻酔も効きづらく手術は痛みを伴います。

しかし中に入っている炎症性の物質をできるだけ排出してしまうほうが、痛みもダメージも少ないし、治りも早いと思います。


元町マリン眼科は手術室を完備しており、その日のうちに切ることも出来ます。

治りにくいものもらい、霰粒腫でお困りの方はぜひ相談に来て下さい。






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