最近導入したブルブルペンは、顔に押し当てることで細かい振動を起こし、ボトックス注射の針の刺入時の痛みを軽減できるデバイスです。
マリン眼科でも先月導入以来、ボトックス注射のみならず、ほくろ取りやイボ取りでも使っており大活躍しています。
ブルブルペンはどう使うのか?動画で供覧
実際に使用している様子を動画にいたしましたのでぜひご覧下さい!受けていただいた男性もそうですが、皆さん、あるのとないのでは、あったほうが紛れて痛くないとのことです。
なぜブルブルペンは痛みを紛らわせるのか調べてみました。ちょっと難しいので興味がある方のみお読み下さい。
ブルブルペンが痛みを和らげる原理
ブルブルペンは、振動を利用して痛みを軽減するデバイスです。ボトックス注射などの針の刺入時の痛みを軽減する主な理由は以下の通りです:
1. ゲートコントロール理論:ゲートコントロール理論は、痛みの認知が脳に到達する前に脊髄レベルで調節されるという理論です。この理論は、1965年にロナルド・メルザックとパトリック・ウォールによって提唱されました。
振動が皮膚に加わることで、痛みの信号が脳に伝わる前に遮断されます。知覚神経には種類があり、 痛み信号は皮膚や筋肉の感覚神経(Aδ線維やC線維)を通じて脊髄に伝わります。一方、触覚や圧覚などの非痛覚信号は太い感覚神経(Aβ線維)を通じて伝わります。振動や圧力などの非痛覚刺激が皮膚に加わると、Aβ線維が活性化され、ゲートが閉じるため、痛み信号が脳に伝わりにくくなります。これが、ブルブルペンのような振動デバイスが痛みを軽減する仕組みです。
2. 分散効果:
振動が局所的に皮膚や筋肉に加わることで、痛みの集中が分散されます。これにより、特定の場所で感じる痛みが緩和されることになります。
3. 神経の過負荷:
振動が神経に過負荷を与えることで、痛みの信号を伝える能力が一時的に低下します。これにより、注射の痛みが感じにくくなることがあります。
4. 心理的効果:
振動の感覚が気をそらす効果を持つため、注射時の痛みを感じにくくなることがあります。患者が振動の感覚に集中することで、痛みの感覚が軽減されます。
以上の理由から、ブルブルペンはボトックス注射の際の痛みを効果的に軽減することができるそうです。使用してみて効果は確かなので、眼瞼下垂や霰粒腫の手術の麻酔でも今後使用してみようと思います。