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執筆者の写真HASUMI

眼瞼下垂手術とピンホール効果による視力の変化

更新日:2022年12月22日

今回は、眼瞼下垂術後に視力が変化することがあると言う事について一つの原因をご紹介したいと思います。

(ご本人の承諾を得て写真を掲載させて頂いております。お写真のご協力ありがとうございました!)


かかりつけの眼科の先生から当院を紹介されて受診された方です。近視が強く、長年ハードコンタクトレンズを使用されていて、眼瞼下垂になってしまったとの事です。

なお、ハードコンタクトレンズが眼瞼下垂の原因となることは有名です。術後にも使用していると再発してしまう事がありますので、眼瞼下垂になりたくなかったら、可能であればソフトコンタクトレンズへの変更を検討してみて下さい。




瞼が下がってくると、二重幅が太くなります。加えて皮膚が余ってきて眠たそうに見えてしまいますね。この方には外れている瞼を筋肉につなぎ直すに、余っている皮膚をとって二重を作り直す、挙筋短縮+余剰皮膚の切除+重瞼形成術のフルコースをお勧めしました。




翌日のお写真です。パンパンに腫れていますね。さすがフルコースです。腫れは2日後くらいがピークです。その間はせっせと冷やしましょう。



1週間後の抜糸の頃には外に出ても問題ないくらいになっています。最初がすごいので、このくらいになると見慣れてだいぶ良くなったと感じて頂けます。




1か月後です。大分目が大きくなりましたね!まだ腫れぼったいですが、この方は二重を縫い込むための吸収糸の炎症があり、腫れが長引いていました。その様な方には消炎のための軟膏を追加する事があります。

腫れの程度や頻度はだんだん落ち着いていきますので、しばらくは我慢して耐えるのみです。。




2か月後のご様子です。大分腫れも落ち着いて、ほぼ完成形に近いと思います。この時点でこの方は眼瞼下垂の時より視力が落ちたことに気が付いたとおっしゃっていました。眼瞼下垂の方はいわば目を細めた状態だったのです。まだ眼鏡のない子供が目を細めて黒板を見るあれと同じことです。眼を細めると焦点深度が深くなり、遠くも見やすくなることをピンホール効果と言います。

眼瞼下垂が手術で治ったことにより、ピンホール効果がなくなって、視力が落ちたように感じることがある、と言う事を教えてくれた症例でした。


当院ではほぼ全例、術前の視力と術後の視力を測っています。眼瞼下垂のある方は、瞼で眼球が押さえつけられているような状態ですので、術前後で乱視が変わる可能性があります。そのため、眼鏡やコンタクトレンズを新調するのは、術後の方が良いとお話ししています。


いつか、当院での術前後の屈折の変化に傾向があるのか調べようと思っています。それを学会等で発表することが出来たらいいですね…そのうち時間が出来たら。。。果たしてそんな日が来るでしょうか。




現在の写真を載せるのを忘れていました。腫れはすっかりなくなり自然な感じに落ち着きましたね。


ご本人からは、見やすくなったのはもちろん、見た目も良くなりモチベーションもアップしたとの事。再発予防のためソフトコンタクトレンズを使用することにされたそうです。お写真のご協力ありがとうございました!



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元町マリン眼科では、眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。 眼瞼下垂手術は下垂による症状があり、診断基準を満たせば保険適応での手術が可能です。

  • 瞼が下がって視界が狭い。

  • 上の方や横の方が見にくい。

  • テレビや本を見ていると瞼がつぶれてくるので手で持ち上げている。

  • おでこや頭に力が入って頭痛や肩こりが取れない。

  • 睫毛が被さって見にくい、あるいは睫毛が良く入る。

などが代表的な症状です。 眼瞼下垂でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。 眼瞼下垂手術について 手術の費用:3割負担で両眼で50000円前後、1割、2割負担の方は自己負担上限金額です。 また、眼瞼下垂を伴う全身疾患が疑われる場合は初診時に採血を行います。初診料と合わせて6~7千円程度かかります。 手術時間は両眼で1時間程度で、局所麻酔下に行います。 ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。1ヶ月位は朝むくんだり、まぶたが赤いなどの症状が見られることがあります。傷の赤みは半年くらいで徐々に改善していきます。 リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。


この記事の執筆者


元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子

所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)




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