今回の症例は、まず眉毛下皮膚切除で余分な皮膚を切除し、その後挙筋短縮を行うという、2段階の手術によって良好な経過となった眼瞼下垂手術症例のご紹介です。（＊患者様の了承を得て写真を掲載しております、というかこの方は、友人に写真を見せたいので術前術後の写真が欲しいとおっしゃったのです。それなら私がブログを書きますと。写真のご協力ありがとうございました！）
眼瞼下垂手術をされた患者様のご紹介
今回の患者様は、瞼が垂れ下がって邪魔なのでアイプチをしたりしているが、みにくく、おでこが疲れる、頭痛や肩こりなどの眼瞼下垂の症状に悩んで受診された方です。びっくり眼になることを恐れているが、瞼が厚いので脂肪なども取らないといけないと思っていると、相談にいらっしゃいました。
2回に分けて眼瞼下垂手術を行う理由とは？
確かに瞼が厚く、そのまま二重にしたのではかなり無理に作った感が出るタイプと思われます。これだけ皮膚が余っていると、大量に皮膚を切除する必要がありますが、皮膚は眉毛に近くなるにつれて皮膚が厚くなるため眼の近くで大量の皮膚を切除すると瞼の近くの薄い皮膚と、眉毛の近くの厚い皮膚を縫い合わせないといけないのでどうしても不自然な感じになります。よくある眼瞼下垂の失敗例は、このような方が、1回で済ませようとして、無理に大量の皮膚を取って二重を作るので起こるのです。勿論術者はこれを知っていますが、患者さんは分からないので1回でやって欲しいと主張するため、仕方なくご希望に沿うように手術をしますが、結果的に誰も幸せにならない結果となってしまうのです。
1回目の眼瞼下垂手術の術後経過
この方は2回手術の必要性を理解して下さったため、まず眉毛下皮膚切除を行いました。
瞼が分厚い方は腫れがひどくなりがちです。この方もやはり腫れが強いですね。
1回目術後の抜糸時の写真です。
すっかり腫れは引いていますね。この時既に見やすいとおっしゃっていましたが、予定通り挙筋と二重もすることにしました。
2回目の眼瞼下垂手術の術後経過
手術のインターバルはおよそ1か月でしたが、眉毛下の傷はだいぶ目立たなくなり、瞼の腫れも良くなっています。この方の少し若い頃のお顔に戻ったような感じでしょうか。しかし、もともと一重でおでこを使って開けるのは改善していませんので、予定通り挙筋短縮と重瞼形成術を行いました。
術翌日です。パンパンに腫れていますが、眼の開きは倍くらいになった感じですね！ご本人は、瞼が良く動いて自分で開けられることに感動していました。これならおでこを使わなくても眼が開くと満足な様子でした。
抜糸時には大分腫れもひいていますが、やはり2回の手術を短期間に行ったので腫れは完全には取れていません。数か月は腫れっぽい日もあるでしょうが、程度や頻度はだんだん落ち着いていきます。1か月にはもっと自然な感じになっている事でしょう。ご本人もナチュラルな仕上がりに満足されていらっしゃいました。今度はアートメイクも検討したいとの事でした。
＊手術の経過には個人差があり、全ての患者様に当てはまるわけではありません。
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眼瞼下垂についてお気軽にご相談ください
元町マリン眼科では、眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。 眼瞼下垂手術は下垂による症状があり、診断基準を満たせば保険適応での手術が可能です。
瞼が下がって視界が狭い。
上の方や横の方が見にくい。
テレビや本を見ていると瞼がつぶれてくるので手で持ち上げている。
おでこや頭に力が入って頭痛や肩こりが取れない。
睫毛が被さって見にくい、あるいは睫毛が良く入る。
などが代表的な症状です。 眼瞼下垂でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。
眼瞼下垂手術について
手術の費用
3割負担で両眼で50000円前後、1割、2割負担の方は自己負担上限金額です。 また、眼瞼下垂を伴う全身疾患が疑われる場合は初診時に採血を行います。初診料と合わせて6~7千円程度かかります。 手術時間は両眼で1時間程度で、局所麻酔下に行います。
ダウンタイム
2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。1ヶ月位は朝むくんだり、まぶたが赤いなどの症状が見られることがあります。傷の赤みは半年くらいで徐々に改善していきます。
リスク
出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。
この記事の執筆者
元町マリン眼科
院長 蓮見由紀子
所属学会・認定医
医学博士
日本眼科学会認定専門医
横浜市立大学附属病院非常勤講師（ぶどう膜専門外来）