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3大ぶどう膜炎について

ぶどう膜炎自体、珍しい病気なのでぶどう膜炎?ってというところから説明しないとですね。


ぶどう膜炎はぶどう膜という眼球の網膜より外側の膜に炎症を起こす病気の総症です。

眼球は外から見ると白目(結膜)の下に強膜があり、その下に脈絡膜という血管の豊富な膜があります。その内側に網膜があります。

脈絡膜は眼の前の方で茶目(虹彩)になります。




脈絡膜は血管が豊富なのでぶどうのような色をしています。そのためぶどう膜と呼ばれています。血管が豊富なので炎症を起こしやすいのです。


ぶどう膜が炎症を起こす原因は大きく分けて感染と免疫の異常があります。それぞれ感染性ぶどう膜炎と非感染性ぶどう膜炎と呼ばれます。



感染性ぶどう膜炎はウイルスや細菌が原因となっているものですが、特にはやり目のように人に伝染るということはありません。またかかった人すべてが発症するわけではなく、すぐにぶどう膜炎になることもまれです。

なので、その人の体質などで発症しやすい要素があると発症すると考えられます。

ぶどう膜炎をおこす代表的な病原体は、ヘルペスウイルス、結核、梅毒、トキソプラズマなどのある種の寄生虫などです。



非感染性ぶどう膜炎はその人の体質と免疫異常などの遺伝的な要因と環境的な要因が合わさって発症すると考えられます。

例えばBehçet病(ベーチェットびょう)という病気は、白血球の血液型(HLA抗原)のうちB51という型を持っている人がなりやすいことは知られています。しかし、HLAB51型の人すべてがBehçet病になるというわけではありません。これが遺伝病との違いです。



この非感染性ぶどう膜炎については日本における3大ぶどう膜炎というのがあります。

それがサルコイドーシス、原田病、Behçet病です。

我が国では、かつてBehçet病が一番多かったのですが、衛生環境や社会環境の変化のせいか、最近はBehçet病は減少し、サルコイドーシスが最も多くなっています。

原田病は別名フォークト・小柳・原田病(VKH)といい、日本の原田先生と小柳先生、外人のフォークト先生が発表したためそのような名前がついています。

これらの病気の各論についてはまた、後日ブログにします。



ではぶどう膜炎になると、どのような症状を感じるのでしょうか。


  • 炎症を起こすと、白目の下の膜が充血します。そのため結膜炎などの充血とは少し違う、毛様充血という充血を起こします。


  • また、茶目に炎症を起こすと痛みが起こります。


  • 炎症を起こす細胞は白血球なのですが、その炎症細胞が多いと、霞んで見えたり(霧視)飛蚊症を起こします。


  • 炎症は時間の経過とともに悪化したり軽快したりします。そのため、朝と昼で見え方が違う、とか曇りの程度に変動があります。


  • 炎症が長く続くと、茶目がレンズにくっついてしまう虹彩癒着や、白内障や緑内障をおこして、視力が障害されることがあります。また、網膜に水がたまったり(黄斑浮腫)や網膜が傷んでその部分が見にくくなることもあります。


  • ぶどう膜炎の中には全身症状を伴うものもあります。例えば風邪のような症状のあと、目の症状が出現する、頭痛や耳鳴りがする、口内炎、関節痛がある…などです。



そのため、ぶどう膜炎であることがわかったら、レントゲンやCTを撮ったり、採血でいろんな項目を調べて、その原因となっているぶどう膜炎の原因疾患を突き止めます。しかし、それがとても難しく、大学病院で調べても、約半数は原因がわからないのです。


一つには、原因疾患が非常に多岐にわたることがあります。

また、当然ですが、症状が軽い場合は証拠となる症状が少なくて同定できないこともあります。


次回はぶどう膜炎の検査についてお話したいと思います。



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