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執筆者の写真HASUMI

マツエクしててもシミ治療はできますか?

今日はマツエクをしていても美容治療に影響しないかどうかについて、当院でも検証を行ってみましたのでその結果を報告したいと思います。


長く、クルンとした睫毛は全女性の憧れですよね。睫毛を長く、たくさんに見せるマツエクをしている方も多くいらっしゃると思います。

マツエクの材料はポリブチレンテレフタレート(PBT)という合成繊維でできています。シルク、セーブル、ミンクなどといろんな名前がありますが、原材料は全て同じ素材のようです。プラスチックなので熱には弱い素材でありますので、IPLやレーザーによって変形や焦げたり、マツエクにダメージを与える可能性はゼロではありません。

PBTなどの合成繊維は180~200度で変形や焦げたりする可能性があるそうです。180度だと高めのヘアアイロンなども危ないということですね。


エクステが変形・焦げる可能性が高まる原因


  1. エクステの素材:多くのまつ毛エクステは合成繊維(ポリエステルやポリウレタンなど)で作られており、これらの素材は熱に弱いです。レーザーやIPLは熱エネルギーを利用するため、高温になった場合にエクステが焦げたり変形したりすることがあります。

  2. 光吸収の特性: 黒いエクステは光を吸収しやすいため、レーザーやIPLの熱が集中し、焦げやすくなります。・ 特に、メラニンをターゲットとするレーザーやIPL(脱毛、シミ治療など)は、エクステや接着剤にも影響を及ぼす可能性があります。

  3. エクステの密度:通常の睫毛の濃さでは安全に照射できても、エクステやつけ睫毛をすごい密度で装着している場合は、エクステが光を吸収して過剰な温度上昇が起こることがあり得ます。

  4. 照射の強さや設定:高出力のレーザーやIPL機器は、肌やエクステに熱ダメージを与えやすくなります。

  5. 接着剤への影響:エクステの接着に使われているグルー(接着剤)も熱に弱く、高温にさらされると溶けたり変色したりすることがあります。



実際の検証について

人工皮膚に市販のつけ睫毛(ミッシュブルーミンアイラッシュ No.06 ガーリーフレア)Made in ChinaをつけてIPLを照射してみました。



睫毛の先端からの距離を測ってマーキングしました。当院では睫毛を保護するために肌色のテープにガーゼを付けたものを貼り付けて照射を行っておりますので同じ条件で行いました。マシンはセレックVを用いて、IPLの出力は、スキンタイプ4(やや暗めの日本人の肌色)でシミスポットモード(LNTG)で照射を行いました。




睫毛の先端から3センチ、2センチ、1センチ離していれば問題ありませんでしたが、睫毛に乗るか乗らないかのところを照射し、テープを剥がして確認すると、目尻側のふさふさのつけまつげが写真のように束になりました。


テープを剥がして確認しているところ

顕微鏡で先端を確認すると、束になったつけ睫毛は先端が縮れていました。



照射後縮れた付け睫毛


縮れていない付け睫毛

保護に使用しているテープは3Mのスキントーンマイクロポアというテープで、紙製なので、ジェルを吸って色がやや暗くなり、また、つけ睫毛も微妙に透けることがわかりました。そのため、より色が濃くなって光を吸収してしまったと思われます。



結論:付け睫毛やマツエクはシミ治療のあとの方が無難


以上のように、付け睫毛は熱に弱く、IPLの光エネルギーを黒い付け睫毛が吸収して温度が上昇し、縮れたり変形したりする可能性があります。また付近の皮膚には火傷を起こすリスクがあります。

そのため、マツエクはなるべくIPLの前には、あえてつけてこない方が無難です。可能であればIPL後にマツエクの予約をするほうが良いでしょう。

また、マツエクを既につけている場合は、安全のため、マツエクから2センチ離して照射を行うことと致します。

同様に、睫毛が濃くて、マスカラをたっぷりと塗っている方も、落ち切れていないと同じことが起こる可能性があります。できればIPLやレーザーの前は、お化粧はしないか、薄めのお化粧でお願い申し上げます。



その他の美容施術はマツエクをしてても大丈夫?


エクステが影響するのは黒いものにエネルギーが吸収されるレーザー・光系の治療だけです。そのためハイフやピーリング、ダーマペン、導入などは影響ありませんのでご安心して施術を受けていただけます。しかし、心配なことがあれば、施術前に医師や看護師にお問い合わせください。







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