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執筆者の写真HASUMI

逆まつげの手術 - 一筋縄ではいかない逆まつげ手術

更新日:6月13日

今回の症例は、年配の方の逆まつげ手術の経過です。年配の方の逆まつげは退行性眼瞼内反症、または老人性眼瞼内反症といい、生まれつきの逆まつげとは、病態や治療法が少し異なります。逆まつげは色々な術式がありますが、一人ひとりのまぶたの状態を見ながら複数の手術を組み合わせて手術をすることが多いです。逆に言えば、これを1個やれば治る、というものではないのが難しいところです。



退行性眼瞼内反症とは?


年配の方が逆まつげになるのは皮膚や皮下組織のたるみが原因となっています。下まぶたを吊り橋に例えると、目頭と目尻の2点で支えられていますが、吊り橋がピンと張っていれば吊り橋はグラグラしませんが、吊り橋が緩んでいるとグラグラして内側や外側に倒れます。

日本人は瞼の脂肪が厚いため、内側に倒れることが多く、睫毛が眼の中に入り込んでいつもチクチクする、うっとおしい、という状態になります。



退行性眼瞼内反症の症例紹介


術前の状態です。この方は80代の女性ですが、数年前にお近くの総合病院の形成外科で手術を受けたそうですが、すぐに再発してしまったとのことで、紹介受診されました。

常にうっとおしいのですぐに手術を受けたいということでしたので、その日に手術の予約を取ってお帰りになりました。



瞬きで睫毛が中に入り込む様子です。傷を見る染色をすると、目の表面は傷がたくさんありザラザラの状態でした。このような症例は睫毛を抜くと短い毛が余計に刺さって傷が酷くなりますので手術の絶対適応です。




逆まつげの手術の実際


退行性眼瞼内反症は、絶対的な組織の弛緩(たるみ)があるのでたるみを切除するのを本質にしています。そのため水平方向の短縮は必須です。(3~4ミリ短縮を行います)具体的には瞼板の幅位を皮膚から粘膜まで全層切開し、両方から引っ張って重なるところを切除し縫い縮めます。ブラブラになった全層皮膚を段差ができないように縫い合わせて、その後は瞼板に下眼瞼下制筋腱膜を縫い付け前転します。下睫毛の重瞼形成(Hotz法)も併用しました。もう2度と再発しないようにしつこくやりました。(皮膚切除は行っておりません)



逆まつげの術後経過


手術翌日、なんと患者さんが来ないではありませんか。ご自分では来れないので、いつもは息子さんが連れてきてくれていたのですが、翌日診察が終わって「そういえば〇〇さん来てないね」となり、お電話したところ「なんか具合がいいので面倒くさくなってしまった」とのこと。喉元過ぎれば熱さを忘れるとはこのことですね。たしかに遠いですが、手術当日術後は明日は来ますって言っていたのに・・・。軟膏は郵送で送りました。





術後1週間後の抜糸には晴れやかなお顔でお越し下さいました。「すっかり具合が良くて、もう何でもなかったみたい。痛みも全く無くて手術を受けて本当に良かったです」とのこと。洗顔はしてもいいですよ、とお話していたのですが、怖くて洗っていなかったそうでかさぶたがついていますが、水平短縮した部分はどこだかわからないくらいにきれいにくっついていますね。

このように、逆まつげはかなり患者さんの生活の質(QOL)を損ないます。逆まつげでお困りなら元町マリン眼科にご相談下さい。



逆まつげ手術の費用やリスクについて


横浜市中区にある元町マリン眼科では、眼瞼下垂や逆まつげの日帰り手術を行っています。

手術は局所麻酔で片目につき30分くらいです。


逆まつげ手術の費用

下眼瞼内反症手術:片目につき15000円(3割負担)、1割負担の方は5000円程度です。


逆まつげ手術のリスク

出血、痛み、薬剤アレルギー、再発、稀に外反や瘢痕形成



手術をご希望の方はまず執刀医である院長診察の時間帯に診察にお越し下さい。当日は採血があります。採血結果をお伝えする時に手術の日程は確定します。最近手術のご相談が増加しており、相談から手術まで2ヶ月ほどお時間を頂いておりますのでご希望の日程がある方は余裕を持ってお越し下さい。



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