今回は、眼と離れていますが、唇の良性腫瘍の治療経過をご紹介します。※御本人の承諾を得てお写真を掲載しております。ご協力ありがとうございました!
下唇に赤い血の塊ができて、時々噛んでしまったりするとのことでお困りだったそうですが、何科に行ったら取ってもらえるのかわからず数年が経ってしまったという方です。たまたま目の近くにもいぼができたので当院を受診されました。
唇の静脈湖は血管腫
唇に暗赤色の数ミリ~1センチ位の大きさの表面がツルッとしており柔らかい腫瘤を認めることがあります。
中には血液が入っており、血流があります。多くは中年~高齢の方に見られ、男女や人種を問わず見られる病変です。原因は不明です。悪性腫瘍ではありませんが、この方のように困っているようであれば切除を検討します。
上の写真では下唇に暗赤色の膨らみがありますね。下の写真は当院での治療後1ヶ月後の写真です。
静脈湖の治療方法
静脈湖の治療方法には以下のようなものがあります。
液体窒素による冷凍
炭酸ガスレーザーによる切除
ラジオ波メスによる焼却
色素レーザー照射による治療
Nd-YAGレーザー照射でも治療できるそうです。当院にもありますが、試したことはありません。
確かに原理としては赤に吸収されるレーザーであれば治療できるのでNd-YAGでも治療できそうですね。
当院ではラジオ波メスによる焼却で治療を行っております。費用は保険適応で約5000円(皮膚腫瘍摘出術)です。
まず、局所麻酔の注射を行います。麻酔が効いて来たら注射器で中身の血液を吸い出し、針型の電極で腫瘍を焼き尽くしてかさぶたにします。術後のケアはワセリンなどを塗って保護していただきます。
術後はしばらく凹んで黒ずんでいますが、瘢痕になることは稀です。
本日は、あまり症例は多くはないですが、たまに当院でも行っている唇の静脈湖の治療経過でした。
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元町マリン眼科では、目の周りのいぼや皮膚腫瘍の日帰り手術を行っています。
おできにより見にくい、出血する、増大してきたなど医学的な理由があれば、保険適応での手術が可能です。
費用:皮膚腫瘍切除(露出部) 3割負担で約5000円
保険適応外では長径1ミリにつき1100円(麻酔・薬剤等別)
リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。
この記事の執筆者
元町マリン眼科
院長 蓮見由紀子
所属学会・認定医
医学博士
日本眼科学会認定専門医
横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)