最近霰粒腫切開の手術希望の方が増えています。
当院では積極的に霰粒腫の切開手術を行っておりますが、基本的には霰粒腫は良性の疾患であり、いずれは吸収されてきれいに治ります。
大きなものや、痛みを伴うもの、視界のじゃまになるものなど、困った症状を呈しているようであれば、切開手術を検討されるのがよいでしょう。
霰粒腫の保存的治療、IPLについて
当院では霰粒腫の手術だけではなく、IPL光治療器を用いた保存療法(アイリッドスパ)も行っています。瞼の中にはマイボーム腺という涙の油分を作っている組織がありますが、マイボーム腺の機能が衰える、マイボーム腺機能不全(MGD)という病態に対して、最近治療ガイドラインが発表されました。
その治療ガイドラインの推奨度の高い行為を組み合わせたプロトコールになっております。
ドライアイや霰粒腫、眼瞼炎など瞼のトラブルに効果が期待できますが、今回紹介する症例は、1年以上も多発霰粒腫に悩まされていた男性の患者様です。(患者様の了承を得て写真を掲載しております。ご協力ありがとうございました)
多発する霰粒腫をアイリッドスパで治療した症例
2022年12月 2ヶ月前からの霰粒腫を切開目的に受診
上下3箇所の多発霰粒腫を摘出
2023年7月 その後も再発を繰り返していると受診
上下5箇所の多発霰粒腫を摘出
上の写真が摘出直後の様子です。
その後アイリッドスパを2~3週毎に1回、計5回受けて頂きました。
アイリッドスパはまず、瞼を温め、IPLを照射して、マイボーム腺分泌物をピンセットのようなもので押し出します。その様子が下の写真です。痛み止めの点眼を指して優しく押し出しますのでそれほど痛みはありませんが、詰まっていると痛みを感じるようです。
5回目を受ける時には、多発した霰粒腫でボコボコになっていた瞼がすっかりきれいになりました!
最近お会いしたところ、以降はご自分で温罨法(ホットアイマスクなどで温めること)を継続し、再発なく経過しているとのことでした。
霰粒腫は瞼の中に上下に20個ずつほどあるマイボーム腺の詰まりなので、時として多発することもあります。瞼をめくって粘膜の下に白いものが透けて見えている方は詰まっている証拠です。詰まりが多発している方はアイリッドスパで霰粒腫を予防するとよいでしょう。
アイリッドスパはこんな方にお勧め
ものもらいを繰り返している方
ドライアイがひどくてお悩みの方
しつこい目ヤニがなかなか良くならない方
眼精疲労がとれない方
アイリッドスパは自由診療です。保険適応はありません。
価格は税込み9,900円/回です。(光治療なしのショート版は4,950円/回)初回はトライアル価格で20%オフ!
1回の効果でそれほど劇的な変化は感じられないかもしれませんが、2~4週間隔で、4回くらい続けて頂ければと思います。
治りにくい霰粒腫にお困りの方はぜひお試しください。