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執筆者の写真HASUMI

審美的目的ではない!目頭切開(ないし形成術)について

当院では逆まつ毛の手術として目頭切開を保険適応で行うことがあります。それは、目頭側の逆まつ毛に対して、内眥(ないし)形成術が有効であるからなのですが、今回ご紹介する症例は、30年来の悩みであった逆まつ毛が、目頭切開後にすっかり気にならなくなったと喜ばれた症例のご紹介です。※御本人の了承を得てお写真を掲載しております。ご協力ありがとうございました。



ずっと睫毛を抜いて過ごしてきた逆まつ毛の症例






目頭の皮膚(蒙古襞)が上の睫毛に被さり、睫毛を倒しています。目頭がいつもチクチクして自分でしょっちゅう抜いていたといいます。また、蒙古襞に下瞼が引っ張られてまつ毛が上を向いています。下の逆まつ毛も子供の頃に埋没法の手術をなさったそうですが、完治せず今日に至るということです。

この方はお若いので、最初はZ形成でやろうと思いましたが、皮膚の余りが多いので結局リドレーピング法に倣って皮膚を切除しました。リドレーピング法は、傷跡がちょうどヒダに沿う感じで目立たないのが利点です。また、この方は内眥靭帯のタッキングも行って、内眼角を鼻側に引っ張っており、眼と眼の間隔が広いのを改善しています。





この方は大変繊細な方で、手術に対する恐怖が少なからずあったようですが、目頭切開は拍子抜けするほど苦痛がなかったそうです。翌日の腫れはこのくらいです。すぐにお仕事や学校に行かれる方も多いです。



当院で行っている下睫毛内反症(逆まつ毛)手術について



目頭の抜糸とともに、右目の下の内反手術を行いました。先天性の睫毛内反の手術はLMS(Lid margin splitting:睫毛の生え際の粘膜移行部を切開して睫毛の毛根を瞼板から剥がす手技)+Hotz法を基本術式にしています。

この方は子供の頃に埋没法を受けたそうで、そのための癒着があり少し苦労しました。埋没とはいえ術後の組織はどうしても癒着があり、予想通りにならないことがあります。








下の逆まつ毛手術の翌日です。2度目の手術の時は前回よりもリラックスしたご様子で、音楽も聞こえてる!と余裕な感じでした。これまでは手術が怖すぎて、手術に踏み切れなかったが、マリン眼科のホームページを見てここならとピンときて決心なさったそうです。術後は目頭の手術以降、そう言えば睫毛を抜いてないけど痛くない!と喜んでいただけました。


手術翌日には左側だけお化粧をしていらっしゃったのですが、前の顔が思い出せないというので、じゃあ記録のためにブログ化しておきましょうか?と尋ねたところ、是非見たい、とおっしゃってくださいましたので早めにブログ化いたしました。お写真のご協力ありがとうございます。そして数ある医院の中から当院を選んでいただきありがとうございました。



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睫毛内反症の手術の費用やリスクについて


元町マリン眼科では逆さまつ毛や眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。


逆さまつ毛手術について手術の費用:3割負担で片眼で18000円前後です。両眼はその倍です。また、初診時に感染症チェックのための採血を行います。初診料と合わせて4、5千円程度かかります。


手術時間は片眼で30分程度で、局所麻酔下に行います。


ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。1ヶ月位は朝むくんだり、まぶたが赤いなどの症状が見られることがあります。傷の赤みは半年くらいで徐々に改善していきます。


リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、まれに瘢痕形成。


この記事の執筆者



元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子



所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)






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