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執筆者の写真HASUMI

就学前健診はなぜ大事なの?眼科的視点から解説

来年小学校に入学されるお子様、親御さん、おめでとうございます!学校にあがると、お子様の社会も一気に広がりますね。春からの生活を楽しみにしていることでしょう。


就学前健診は大体秋頃の10月から11月頃行われます。本日はマリン眼科はお休みでしたが私、院長の蓮見はお近くの学校医をしている小学校に健診に行ってきました。




多くのお子さんは、3歳児健診を受けていることでしょう。3歳の時に視力を測って視力が悪い場合は眼科での精密検査が必要になります。それは弱視を防ぐためです。弱視というのはメガネを掛けても1.0が見えない目です。弱視の方は、網膜にピントが合わないので解像度の悪い画像を見ているような状態です。はっきり見えたことがないのでその見え方がいいのか悪いのか、お子さん自身では判断できません。その様な弱視のお子さんが、3歳児健診をすり抜けている場合、次に見つかるチャンスが就学前健診なのです。学校に上がる前に、治療を始めておきたいですよね。



弱視とは?


弱視は、目そのものに異常がなくても視力が正常に発達しない状態を指します。視力は生まれてから少しずつ発達し、8歳頃までに完成します。しかし、視覚情報が脳に正しく伝わらない場合、この発達が阻害され、視力が十分に向上しないことがあります。これが弱視です。弱視の原因はさまざまですが、以下が主なものです。


  • 斜視:片方の目だけを使うことで、もう一方の目の視力が発達しない。

  • 屈折異常(遠視、近視、乱視):視力矯正が必要な状態が放置されることで発生する。

  • 視覚遮断:白内障や眼瞼下垂などで視覚が遮られることによるもの。


弱視は成長期をすぎると治療は不可能で、視覚に関する様々な制約を生じる可能性があります。また、歳を重ねるうちに反対の眼に何かが起きる可能性もあり、弱視は一生の問題です。



就学前健診がなぜ重要なのか?


弱視は子ども自身が気づきにくい疾患です。更に、片目だけの視力が低くても、もう片方の目が補完するため、日常生活で問題を感じにくいことがあります。そのため、特に片目の場合、親や周囲の大人も異常に気づきにくいのが現状です。



就学前健診(3歳児健診や5歳児健診)は、このような気づきにくい視力の問題を発見する重要な機会です。以下の理由から、健診の意義は特に大きいと言えます。


  1. 早期発見が治療の鍵:弱視の治療は、視力が発達する8歳頃までが勝負です。若年ほど治療に対する反応が良いので、特に3〜5歳の間に治療を開始することで、視力の改善が期待できます。

  2. 治療法がシンプルかつ効果的:弱視の治療には、以下のような方法が用いられます。

    • 眼鏡の使用:屈折異常が原因の場合、適切な度数の眼鏡をかける。

    • アイパッチ療法:健康な方の目を一時的に覆うことで、弱視の目を積極的に使う訓練を行う。

    • 手術:視覚を遮断する白内障や眼瞼下垂がある場合は手術を行う。

  3. 社会的影響の軽減:未治療の弱視は、将来の仕事選びや日常生活に大きな制約をもたらす可能性があります。早期治療により、これらのリスクを最小限に抑えることができます。


お子様の視力に不安がある保護者の方へ


お子さんの視力を守るためには、就学前健診を受けることが何より大切です。特に以下のような場合は、早めの眼科受診をお勧めします。


  • テレビや本を見る際、顔を近づけている

  • 目を細めたり片目を隠して見ることがある

  • 目の動きに異常が見られる(例:目が寄る、左右で動きが異なる)



当院には小児眼科に詳しい医師が勤務しております。また複数の視能訓練士が毎日勤務しています。弱視訓練などを行う専門職、視能訓練士については☞こちら 





お子さんが一生視力で困らないために、視力の問題を早期に見つけ、適切な治療を行いましょう。元町マリン眼科では、水曜日の午後に小児眼科診療を行っております。特に斜視や弱視が心配なお子様は、視能訓練士枠を是非ご利用ください。








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