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執筆者の写真HASUMI

巨大ものもらいと迷走神経反射

更新日:2月24日


先週大きな霰粒腫を切開した方が、10日ぶりに受診されましたが、どこにあったか見た目にはわからないくらいにきれいになっていました。ものもらい切開の布教活動をしているので写真にご協力いただけませんか?とお願いしたところ、快く承諾してくださいました!



巨大ものもらいの切開症例の経過



切る前の写真です。かなり大きいですね!

裏側からも中身が透けて見えます。この方は裏側からの切開で摘出しました。

表側には傷は残らず、裏側は縫合しませんので抜糸は必要ありません。




霰粒腫切開希望の方はなるべく早く手術をしてあげたいのですが、当日対応は時間帯によっては難しいことがありますので、なるべくお電話でご予約をお願いしております。



最近、ものもらいの手術を受けるために受診する若い方が多いのですが、若い人の中には、手術というストレスと緊張、痛みなどから手術中や手術後に気分が悪くなったり、冷や汗をかく、ふらふらして倒れてしまう方がいます。迷走神経反射というものです。


手術の緊張からくる迷走神経反射とは


迷走神経とは、自律神経の中の副交感神経の一つです。自律神経は、脈拍や呼吸、睡眠など、自分の意志ではない生命維持に必要な機能を調整している神経で、主に体が活動状態になる方向に働く交感神経と、リラックスする方に働く副交感神経があります。

迷走神経はそのリラックスする方に働く神経ですので、通常はリラックスしている時に働く神経ですが、強いストレスによって反射的に脳幹血管運動中枢を刺激し,心拍数の低下や血管拡張による血圧低下などをきたす生体の防御反応です。


若い人は麻酔が効きづらく、痛みを感じやすいのと、手術を受けるという心理的ストレスや恐怖から極度の緊張状態になり、失神まではいかないにしても、冷や汗びっしり、ふらつき、術後に吐いてしまった方もいました。


迷走神経反射の治療


迷走神経反射のような症状なってしまったらどうするか?

まず気分が悪ければ体を横にして、足を高くします(血流を頭に戻すため)。ベルトや体を締め付ける下着は緩めます。吐き気がなければ水分の補給をしても良いでしょう。たいていの場合は数分で症状は改善します。



霰粒腫手術について


元町マリン眼科では、ものもらい(霰粒腫)の摘出手術を行っています。手術は局所麻酔で行います。手術は数分で終わりますが、中身はコロッと出るわけではありません。中身をなるべく減らして吸収を早める手術です。大きなしこりとなった霰粒腫は自然の経過では吸収に時間がかかりますので、切れば痛みや出血は当然ありますが、吸収するために要する時間を短縮できます。

皮膚面に発赤を伴って隆起している霰粒腫は表から切開を行い、皮膚面の縫合が必要になることもあります。その場合は抜糸が必要です。



この記事の執筆者


元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子

所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)











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