top of page

悩ましい小学生の霰粒腫

  • 執筆者の写真: HASUMI
    HASUMI
  • 6 日前
  • 読了時間: 4分

最近ブログの更新が滞っておりますが、元町マリン眼科は毎日元気に診療しております。

本日は春休み中に霰粒腫をご家族総出で切りに来てくれた7歳のお子さんの症例をご紹介します。(※ご家族の了承を得てお写真を掲載しております。ご協力ありがとうございました。)



1月から大きくなり始めた霰粒腫



左の目尻にできた霰粒腫
左の目尻にできた霰粒腫

1月から大きくなり始め、2週間前が大きさのピークだったとのことですが、縮小傾向を認めるものの、本人も気になってきており、全身麻酔は怖いとのことで局所麻酔での手術をご希望されました。

診察中に怖くなってきて思わず涙がこぼれてしまった様子です。7歳で手術を受ける決断をするだけでも立派と思いますよ。



7歳の局所麻酔下の霰粒腫摘出


一番細い針を用いて麻酔をすることに納得し、テープ麻酔を貼って待っていてもらいました。幼い妹さんが心配する中、ご家族と別れて処置室に入ってもらいました。

麻酔は皮膚側と瞼の裏側の結膜に麻酔をしました。麻酔が効くまで1分くらい時間がかかるのでその間に消毒をします。


皮膚が破けていないので裏側から切開しようと思いましたが、瞼をひっくり返すのが怖かったようで、シクシクと涙がこぼれてきました。長い時間は難しいと考えて、表から出すことにしました。幸い二重がはっきりしたお子さんだったので瞼の際に穴を開けて中の肉芽を掻き出しました。怖い手術に頑張って耐えましたね。さすがお兄ちゃんです。




術後5日めの霰粒腫
術後5日めの霰粒腫

手術から5日後に受診されました。まだ手術の腫れが残っていますが、しこりはだいぶ小さくなっており、外から見てもしこり感はなくなったとのことでした。

初診時は緊張と恐怖で元気がなかったのですが、再診の時はすっかり元気な小学生の男の子でした!遠くにお住まいなので、もう心配はないということでしたので一旦フォローは卒業といたしました。

写真のご協力ありがとうございました。



最近ブログの閲覧数が減ってがっかりしていますが、いいね!やフォローで励まされます。ブログを応援して下さる方は是非いいね!をよろしくお願い申し上げます。



当院での子どもの霰粒腫摘出術について


当院では、小さいお子さんの霰粒腫も全身麻酔無しで切開しています。皮膚麻酔はテープを1時間前に貼ってきて来てもらいますが、テープ麻酔をしても表面だけの麻酔なので、切開は痛みを伴います。注射麻酔はできそうな年齢のお子さんには行いますが、麻酔が効くまでには時間がかかるため、手術時間が長引くのもお子さんにとってはストレスです。さらに、炎症を起こしている組織には局所麻酔はあまり効きません。最終的には怖くてみんな泣きます。


苦痛をなるべく短時間で済むように色々工夫をして行っています。切るほどの霰粒腫は炎症を伴っているので切れば出血は必ず起こります。縫合するお時間はありませんので、ガーゼでしばらく圧迫してもらいます。帰宅後にガーゼは外してもらい、止血していればあとは軟膏を塗って過ごしていただきます。

また、手術後は出血や腫れは必発です。霰粒腫はころっと出るようなものではなく、切れば明日治るものではありません。赤くなって薄くなった皮膚はすぐには元の色には戻りませんが、いつかは必ずきれいになります。



霰粒腫手術の費用やリスクについて


手術の費用:3割負担で1眼瞼につき2400円程度、初診料と合わせて3千円程度かかります。

手術時間は5~10分程度で、局所麻酔下に行います。

ダウンタイム:1~2日はまぶたが腫れます。必要な方のみ1週間後に抜糸を行います。

内出血は1~2週間程度で徐々に軽快します。


リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。


この記事の執筆者




元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子

所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)












bottom of page