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生活の質が一変!埋没法による逆まつ毛の手術

執筆者の写真: HASUMIHASUMI

今回は、加齢によるたるみで逆まつ毛になった症例を、埋没法で治療した症例で、経過が良かった方のご紹介です。(御本人の承諾を得てお写真を掲載しております。写真のご協力ありがとうございました!)



日常生活に影響する逆まつ毛の症状

眼瞼内反症の女性の写真
眼瞼内反症の女性の写真

眼瞼内反症のスリット写真
眼瞼内反症のスリット写真

1ヶ月前から、左目の充血と目やにを主訴に受診されました。左の下瞼がめくれ込み、睫毛が黒目と白目を刺激して、涙が絶えず流れ、目やにと充血がずっと続いています。

原因は逆まつ毛ですが、年輩の方にある時から入るようになってしまうことは意外とよくあることです。しかし、それまでは睫毛の異常はなかったため、原因がわからず、色々目薬を試したりしてお困りの方はいらっしゃいます。



加齢による逆まつ毛の原因は、瞼のたるみです。瞼は吊り橋に例えられます。吊り橋は、ピンと張っていればグラグラしませんが、横方向に弛みがあるとグラグラします。瞼の組織が厚い日本人では内側に倒れやすくこの方のように内側に倒れて眼瞼内反症(加齢性の逆まつ毛)となります。


原因は横方向のたるみですので、この方には横方向を縮める水平短縮が適していると判断しましたが、水平短縮は瞼を全層切り取る比較的出血の多い手術です。抗凝固薬を止められないとのことで、今回は埋没法を選択いたしました。


術後の翌日の写真です。



眼瞼内反症の埋没術後翌日のスリット写真
眼瞼内反症の埋没術後翌日のスリット写真

埋没法による逆まつ毛手術のメリット・デメリット



埋没法は、瞼の中に細い糸を入れて、ぎゅっと引き締めることで瞼の近くに食い込みを作り、瞼の向きを整える手術です。上まぶたの埋没法は二重を作る手術として一般的ですね。

エクボのように食い込んでいるところに針で穴を開け、瞼の裏~表に糸を通して行っています。切開しないので出血はミニマムで、術後のダウンタイムは軽度ですが、全くないわけではありません。それでも抗凝固薬を辞めないで手術できることはメリットですね。



術後1週間の時のご様子です。目やには収まり充血が改善して、生活がとても楽になったそうです。このように逆まつ毛は生活に大変支障を来すので、直ぐに手術を受けるのがお勧めです。加齢によるたるみは進行していくことはあれど、治ることはありませんので自然治癒は期待できません。


内反術後1週間の様子
内反術後1週間の様子

内反術後1ヶ月の瞼の様子
内反術後1ヶ月の瞼の様子

術後1ヶ月検診のときには、もう何も問題はないです、調子良いと満足しておられ、写真の使用を快諾してくださいました。このように埋没法はダウンタイムが軽微で気軽に受けていただける手術ではありますが、デメリットとしては瞼の緩みを根本的に解決していないため、再発することがありうると考えています。また、埋没の宿命として糸の緩みで効果が薄れてしまうことがありえます。その場合は、再度埋没をするか、切開での再手術を受けていただかなくてはなりません。



あと、細かいことですが、目頭側のところにエクボのように凹んでいるところが黒ずんでいます。これは傷跡の黒ずみで炎症後色素沈着です。時間とともに薄れますが、気になる人にはハイドロキノン入の美白クリームやコンシーラーをお勧めしています。当院の窓口で販売していますので気になる方はお声がけください。


今回は、加齢による逆まつ毛(眼瞼内反症)に対する埋没法の解説でした。逆まつ毛は生活にとても影響を来すご病気で、自然治癒はほぼありませんので、気になる方はお早めに眼科に相談しましょう。



逆まつ毛手術について


最近ブログの閲覧数が減ってがっかりしていますが、いいね!やフォローで励まされます。ブログを応援して下さる方は是非いいね!をよろしくお願い申し上げます。



元町マリン眼科では逆さまつ毛や眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。


逆まつ毛は以下のような症状を引き起こします。


  • 常に睫毛が入ってチクチクする

  • 充血や目やにが改善しない

  • 瞼が入り、異物感が常にある

  • 目が霞んで見づらい

  • 睫毛が良く入るので、頬を手で引っ張るくせがある


などが代表的な症状です。

逆まつ毛でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。


逆さまつ毛手術について 手術の費用:3割負担で片眼で18000円前後です。両眼はその倍です。 また、初診時に感染症チェックのための採血を行います。初診料と合わせて4、5千円程度かかります。


手術時間は片眼で15~30分程度で、局所麻酔下に行います。


ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。1ヶ月位は朝むくんだり、まぶたが赤いなどの症状が見られることがあります。傷の赤みは半年くらいで徐々に改善していきます。


リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。



この記事の執筆者







元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子



所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)







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