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病気の時はホットアイマスク❓冷たいマスク❓

更新日:2022年1月3日

皆様、2022年あけましておめでとうございます!

今回は、病気の時は眼を冷やすべきか、温めるべきか?というご質問を頂いたのでそれについて解説しようと思います。


一律に、眼を冷やしてはいけない、温めるのがよい、とかいう事はなく、病気や状態によると思います。

一般的に、病気の時は急性期は冷やして、慢性期は温めるの良いとされています。

急性期の状態は、炎症が起こり、炎症性サイトカインが沢山放出されている状態です。患部を温めると血流が増え、炎症性サイトカインが更に放出されて、いわば火に油を注いでいる状態。そのため炎症を悪化させてしまう事になります。逆に安静にして冷やすことで炎症を鎮静化させる方が良いのです。


例えばものもらい。赤く腫れてずきずき痛いような時は冷やした方が良いでしょう。しかし、痛みが取れて、しこりとなってしまった場合は、温めて血流を促進することで、吸収を早めたり、油そのものを溶かし出す方が効果的です。


①冷やした方が良い病気

  • アレルギー…よく、痒みでかきむしってしまう人がいます。経験ある方もいらっしゃると思いますが、かきむしってしまうと腫れが酷くなり、痒みはさらに悪化します。これは痒み物質であるヒスタミンなどのケミカルメディエーターというものが、放出されるからです。冷やすことで、これらを鎮静化させると、痒みは落ち着きます。


  • 眼球打撲…打撲により腫れるのは、皮下組織の毛細血管が傷ついているからです。血流を増やすことは腫れの悪化につながります。冷やすことで毛細血管を収縮させてそれ以上の腫れを予防することが必要です。


  • 急性の炎症…充血している、痛みがあるなどは炎症のサインです。血流が良くなると白血球がたくさんやってきて炎症性物質であるサイトカインが沢山放出されます。ずきずきするような時は冷やす方が良いでしょう。


②温めた方が良い病気

  • ドライアイ・・・マイボーム腺の詰まりがあると、涙の油分が足りず蒸発しやすい質の悪い涙になってしまい、ドライアイを感じやすくなります。マイボーム腺の分泌物は油ですので温めるとバターのようにサラサラします。温めたあと、眼をギューッとつぶると油が絞り出されて涙の質が改善します。


  • しこりとなってしまったものもらい…先ほどのドライアイとものもらいは表裏一体の病気です。マイボーム腺が瞼の中で詰まってしまい、溜ってしまったものがものもらいです。ものもらいがしこりとなってしまった場合、手術で切るか温めてつまりを解消するかですが、温めて出すのはかなりの時間が必要です。


  • 眼精疲労など…温めた方が気持ちがよい、眼がほぐれて疲れが取れるのであれば、温めた方が良いでしょう。



その他の眼の奥の病気、例えば眼底の病気などに、温めたり冷やしたりするのがどう影響するのかはあまりわかっていないと思います。眼の表面を温めても、直径2.5センチの目の玉の奥には、そこまで大きな温度変化は起こらないかもしれません。しかし温めれば血流が増えると言う事を考えれば、緑内障は温めた方が良い病気かもしれません。


かつては、黄斑変性症に対して温熱療法というのをやっていたことがありました。しかし、現在は硝子体注射が黄斑変性症の治療のスタンダードとなったため、今はほとんど行われていないと思います。


まとめると、眼を冷やすか温めるかは疾患と病期によるという事ですね。眼の奥の病気については今後の研究が待たれますね。







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