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執筆者の写真HASUMI

眉上切開という選択

更新日:2022年12月12日

今回の症例は、眉上切開(いわゆるブロウリフト)を行って、非常に経過が良かった方をご紹介いたします。


他院からご紹介の患者様です。以前他院で眼瞼下垂の手術(挙筋短縮)を行ったが全然重苦しさが取れなくて、いつも瞼を持ち上げて見ている、という方です。*患者様の了承を得てお写真を掲載させて頂いております、というか、この方はご自分から「すごく良かったから宣伝して~、写真使っていいわよー!」と言ってくださいました。




この方は眼と眉の間の皮膚は明らかに余っていますが、眉下切開では眼と眉が近すぎて切除幅があまりとれません。しかしテープで持ち上げると「楽だわ~、こうなって欲しい」とおっしゃいます。



改めて上の写真を見ると、眉は本来あるべきところより下がっているのではないかと思いました。頭蓋骨の眼球が入っている凹みを眼窩、と言いますが、眼窩の上の部分はおでこの骨(前頭骨)の出っ張りがあります。そのでっぱりのところに通常眉毛があります。年齢により、おでこの皮膚が伸びてしまい、眉毛が下がってしまったんですね。(眉毛下垂)ブロウリフトは、伸びた皮膚を切除して、眉毛を引き上げる手術になります。

ちなみに美容外科で行うブロウリフトはおでこのてっぺんのところで余剰皮膚を切除し、生え際に縫い目が来るようです。


患者様は手術をとっても楽しみにしてくださったようでした。

さてデザインです。


ブロウリフトは術後の傷が目立ちやすいのが難点です。この方は幸い眉毛が立派だったため、眉毛の上ギリギリを切るデザインといたしました。


手術直後のお写真です。

「はい終わりました~。起こしますね。」と体を起こしたところ、

「楽だわ~、見やすい!!」と大変喜んでいただけました。



翌日の腫れと内出血です。目頭には内出血がたまっていますね。結構腫れていますが、ご本人は既に見やすいとおっしゃっていました。



1週間後の抜糸後です。

内出血は吸収過程で黄色くなります。ヘモグロビンが代謝されていく過程で黄色くなるためです。元の肌色に戻りますので安心してください。患者様は「挙筋の手術の時よりずっと良かった。見やすくなってサッカーも眼を開いてみることが出来ました!先生と、紹介してくれたかかりつけの先生にもすごく感謝している」と大変喜んでいただけました。お写真のご協力ありがとうございました。




傷の経過はまだここまでですが、続報でいつか1か月後、3か月後の写真を載せたいと思います。ブロウリフトは、どうしても傷が目立ちやすいので適応症例を慎重に選ぶ必要がありますが、今回の様に眼と眉毛の距離が短く、切除幅が取れない方に検討しても良い術式と思われました。


今回は皮膚全体が弛緩している症例で、眉毛下垂となっている方の眉上切開を行った患者様の経過をご紹介いたしました。




元町マリン眼科では、眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。

眼瞼下垂手術は下垂による症状があり、診断基準を満たせば保険適応での手術が可能です。


  • 瞼が下がって視界が狭い。

  • 上の方や横の方が見にくい。

  • テレビや本を見ていると瞼がつぶれてくるので手で持ち上げている。

  • おでこや頭に力が入って頭痛や肩こりが取れない。

  • 睫毛が被さって見にくい、あるいは睫毛が良く入る。

などが代表的な症状です。


眼瞼下垂でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。



眼瞼下垂手術について



手術の費用:3割負担で両眼で50000円前後、1割、2割負担の方は自己負担上限金額です。

また、眼瞼下垂を伴う全身疾患が疑われる場合は初診時に採血を行います。初診料と合わせて6~7千円程度かかります。


手術時間は両眼で1時間程度で、局所麻酔下に行います。


ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。1ヶ月位は朝むくんだり、まぶたが赤いなどの症状が見られることがあります。傷の赤みは半年くらいで徐々に改善していきます。


リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。



この記事の執筆者


元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子

所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)






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