眼振とは、意思とは無関係に眼が小刻みに揺れることです。
揺れの方向は水平方向、垂直方向、または回旋と言って視神経を軸に回転する動きだったりします。
揺れは一方には急速に、反対方向にゆっくり戻るタイプもあれば、どちらの方向も同じくらいの速さで揺れていることもあります。
原因は眼に原因があるものと脳や耳に原因があるものがあります。
眼に原因があるものでは、先天性無虹彩症(茶目が欠損している;以前のブログもご覧ください)や黄斑低形成(網膜の中心の形成異常)などの目の形成異常、先天白内障や先天網膜色素変性症により、著しい低視力だと眼振がおこります。
眼球に異常がない場合、眼を動かす神経の異常で眼振がおこることもあります。また、眼が常に揺れていると、ものがはっきりと見えず視力の発達が遅れ、結果として低視力になります。
脳や耳の異常で眼振を起こすものでは、めまい、脳梗塞、脳脊髄奇形、小脳変性疾患、多発性硬化症などの病気があり、主に後天性の眼振の原因となっています。後天性の眼振がおこると、ものが揺れて見える動揺視やめまいの症状がありますが、生まれつきや乳幼児期からの眼振であれば自覚症状はありません。
眼の向きによって眼振の程度が変化することがあり、その場合は自然に揺れの少ない方向を見るようになります。そのため、顔の向きを左右どちらかに傾けたり、上を向いたり下を向いたりすることがあります。
もし眼振があるとわかったら、眼に上記のような異常がないかを検査します。異常があればそれを治療します。また、弱視や斜視があれば、それを治療します。
残念ながら目の動きを完全に止める方法はありませんので、一番見やすい方法を探していく治療になります。
もし、小さなお子さんで、常に顔を傾けてみているような場合は、眼科を受診して検査を受けてみましょう。
また、3歳になったら3歳児検診を受けることは、弱視や斜視を見逃さないためにとても大切です。コロナウイルスの流行で、検診の機会を逃してしまったお子様は、お近くの眼科で検査を受けると良いでしょう。
当院には視能訓練士が在籍しておりますので、小さなお子様の斜視や弱視が心配であれば、視能訓練士の検査でご予約をお願いいたします。