こんにちは。院長の蓮見です。
白内障、緑内障、加齢黄斑変性…これら中高年に増えてくる眼疾患は加齢も要因の一つとなっています。
加齢に伴う変化とは体内においてどういう事が起こっているのでしょうか?
キーワードは酸化と糖化
酸化は体のサビにもたとえられます。酸化は身の回りでもよく見られる化学反応です。金属のサビなどはイメージしやすいですね。りんごなどを切っておいておくと、茶色くなるのも酸化です。
体内で起こる酸化は、細胞レベルの話になります。食べ物を摂取すると食べ物は消化によって分子レベルに分解され、ブドウ糖になります。ブドウ糖はミトコンドリアという細胞内器官でエネルギーへと変換されます。その時に活性酸素という反応性の強い物質ができてしまうことがあります。活性酸素は非常に酸化力の強い物質なのです。
活性酸素は細胞やDNAを傷害し、老化や突然変異をもたらします。しかし、人間の体の中には抗酸化酵素があり、この傷害から細胞を守るのですが、抗酸化酵素が足りないと、細胞の傷害を防げずに、老化が進んでしまいます。体内で作られる酵素の他に、食物から摂取した抗酸化物質も、こうした傷害から守る働きがあります。
では活性酸素は悪物か、というと、必ずしも悪い作用だけではなく、白血球が体内に侵入してきたばい菌を退治する際には活性酸素を利用していると言われています。
しかし、バランスの問題ですので、活性酸素が多く発生するような場面では、抗酸化物質が多く必要になります。
活性酸素はストレスや喫煙、紫外線、ブルーライト、疲労などで増加します。除去しきれなかった活性酸素は、細胞やDNAにダメージを与え、加齢性変化や様々病気を引き起こします。眼においては加齢黄斑変性、緑内障、糖尿病網膜症、白内障の病態に関わっていると言われています。
代表的な抗酸化物質としてはビタミンCが挙げられますが、ビタミンE、ベータ・カロチン、ビタミンA、などのビタミン類やグルタチオン、ポリフェノールなど、様々な抗酸化物質が研究され、サプリメントなどに応用されています。
抗酸化物質を多く含む物には、
ビタミンC…レモン、ゆず、いちご、ピーマン
ポリフェノール…赤ワイン、チョコレート、松樹皮エキス
カロテノイド…緑黄色野菜、マリーゴールド
ビタミンE…ナッツ類、青魚など
などがあります。バランスの良い食事を摂ることが理想ですが、毎日たくさん取ろうと思うと大変ですよね。
そこで、手軽なサプリメントを上手に利用するのも良いでしょう。
サプリメントは薬ではないので、補助的に利用するのは良いですが、根本的な治療にはなりませんので、眼科に通院して適切な治療を受けることがもちろん大切です。
長くなってきたので、糖化については次回お話しすることにしましょう。