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眼瞼黄色腫の手術経過

執筆者の写真: HASUMIHASUMI

更新日:2月7日


今回ご紹介するのは、60代女性の眼瞼黄色腫の症例です。※患者さんの承諾を得て写真を掲載しております。

写真のご協力誠にありがとうございました!



目頭の上にできる黄色い皮膚の腫瘍:眼瞼黄色腫


当院かかりつけの方ですが、両上まぶたの目頭側に黄色の皮膚腫瘍が出現し、徐々に大きくなって目立ってきたため、当院へ相談に来られました。視界には影響しないものの、見た目の変化が気になり手術を希望されました。



眼瞼黄色腫
眼瞼黄色腫


【診察と診断】

診察の結果、眼瞼黄色腫の可能性が高いと判断しました。眼瞼黄色腫は脂質代謝異常と関連があることも多いですが、本症例でも若干の高脂血症がみとめられました。しかし、コレステロールを下げる薬を飲んでも黄色腫の改善はあまり期待できません。



【手術の概要】

局所麻酔下で黄色腫の切除を行いました。黄色腫は比較的浅い層に存在しており、慎重に周囲組織を温存しながら切除を進めました。術後の瘢痕が目立ちにくいように、皮膚のシワの流れに沿って切除範囲をデザインしました。髪の毛よりも細い糸を使用して丁寧に縫合しています。




【術後の経過】


術後は当日も含め、2日位は冷やしを徹底して行っていただき、軟膏を塗り続けてもらいました。



  • 術後1週間:抜糸を行い、腫れは軽減しつつありました。

1週間後の抜糸の時の様子
1週間後の抜糸の時の様子



  • 術後2週間:赤みが残るものの、メイクで十分にカバー可能な状態に。





  • 術後1ヶ月:色素沈着がありますが、2~3ヶ月で徐々に改善していきます。




【病理結果と解説】


切除した組織は病理検査に提出し、顕微鏡下で観察したところ、黄色腫の典型的な所見が確認されました。


黄色腫の病理所見
黄色腫の病理所見

黄色腫の強拡大写真
黄色腫の強拡大写真



病理標本の特徴

  • 泡沫細胞(Foamy cells):脂質を豊富に含んだマクロファージが多数観察されました。

  • コレステロール結晶の沈着:細胞質内にコレステロールが蓄積し、黄色腫の特徴を示していました。

このような病理所見から、診断はやはり眼瞼黄色腫であることが確定しました。



瞼の黄色い腫瘍:眼瞼黄色腫の手術について


元町マリン眼科では、眼瞼黄色腫の手術療法を行っております。

手術は局所麻酔で日帰りで行います。初診日当日の手術は行っておりませんのでまずは初診カウンセリングを受けていただき、手術の予約をしていただきます。


費用:大きさにより5000円~15000円(保険適用)その他、診察、病理検査、麻酔代等がかかります。

時間:10~15分程度

リスク:出血、痛み、腫脹、傷の赤み、瘢痕形成など


黄色腫は見た目の変化が気になり、手術を希望される患者様が多くいらっしゃいます。切除手術は比較的短時間で行え、適切なデザインと術後管理を行うことで、傷跡も最小限に抑えることが可能です。本症例は切開縫合手術を行いましたが、もっと小さいものであれば、切除しなくても治療が可能です(自由診療)。


当院では、患者様一人ひとりに合った治療方法を提案し、美容的な仕上がりにも配慮した手術を提供しております。眼瞼黄色腫でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。



この記事の執筆者







元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子



所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)








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