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緑内障の治療・当院の取り組みについて


前回は緑内障の診断についてでした。


今回は緑内障の治療についてお話ししたいと思います。


緑内障の治療は眼圧を下げることです。

下げる方法は


  • 点眼💧

  • レーザー✨

  • 手術🔪


があります。

眼圧を下げる内服薬もありますが、長期に飲み続ける薬ではありません。


緑内障の目薬の種類は後発品なども含めるとものすごくたくさん種類があります。

大きく分けて6種類くらいのカテゴリーに分けられます。


代表的な第一選択薬は主に2種類で、プロスタグランジン製剤とベータ遮断薬という種類の薬が最初に使われます。

眼圧を下げる力が比較的強いものです。


プロスタグランジン系のお薬は、1日1回でよいのと、全身への副作用がない事で一番ポピュラーな薬になっています。しかし、長期に使うと睫毛が伸びる、目の周りが黒くなる、といった局所の副作用が起こってきます。

このため、若めの、とくに片眼の患者さんには使いにくいお薬です。


ベータ遮断薬は最近は1日1回で良いものも出てきました。昔から使われているお薬で、眼圧を下げる力は定評がありますが、目薬とはいえ、毎日つけると体への影響も出てくることがあります。心肺機能に影響が出ることもあり、持病がある方には使えないお薬になります。


これらの薬で目標眼圧以下にならない場合、または視野が悪化していく場合は追加のお薬を足していきます。





進行した緑内障の患者さんの中には点眼を3つも4つもつけている人もいます。


点眼を複数、同じ時間につけるためには、目薬と目薬の間隔を、5分くらいあけないといけません。4種類をつけ終わるには15分かかることになります。一仕事ですね。



点眼薬を数種類もつけていると、点眼薬で眼の表面が荒れたり点眼アレルギーや防腐剤アレルギーになってしまうことがあります。


アレルギーになってしまうと、目が痒くて、赤くただれて点眼がつけられなくなりますし、眼圧の下降も悪くなります。


このような場合にはレーザーや手術を検討します。手術療法はまた機会があればお話ししたいと思います。


緑内障のレーザーはいくつか種類があるのですが、ここでは開放隅角についてお話しします。

開放隅角緑内障に対しては、今は選択的線維柱帯形成術(SLTといいます)というレーザー手術が一般的です。



          設備でご紹介したYAG/SLTレーザー器械です。



前回のブログで眼の排水溝はメッシュ構造をしていると説明しました。そのメッシュが目詰まりを起こすのですが、レーザーは目詰まりの原因となっている色素を含んだ細胞を壊して水の流れを促す作用があります。


このレーザーは痛みがほとんどなく、5分くらいで終了します。眼を切るわけではないのでその日にお顔も洗えます。


反応が良いと、眼圧が3割くらい下がることがありますが、まれに反応があまりない人もいます。眼圧下降効果は1年くらい持続しますが、また上昇してくることもあります。

上昇しても繰り返し打つことができます。


費用は保険が効きますが、3割負担で片目について2万5千円くらいかかります。


日本では非侵襲的な治療が好まれる傾向が強いため、点眼を何種類もつけた後にレーザー手術を勧められるケースが多いと思いますが、外国ではSLTを初期に導入することもあるそうです。


点眼は忘れたり、また、毎日の点眼が患者さんの負担になったりするので、レーザーで安定的に眼圧を下げられれば、病状も安定しますし、患者さんの生活も改善しますね。


元町マリン眼科ではSLTによる緑内障のレーザー治療を受けることができます。


緑内障の治療は一生続くので、なるべく患者さんにとって負担の少ない治療を提案していきたいと思っています。

しかし一番大事なのは視野ですので、視野の悪化阻止が最優先です。

前回の繰り返しになりますが、緑内障は見つかった時点の視野がその人の一生のベストな視野です。早く見つければそれだけ視野が残ります。



緑内障は40代くらいから罹患率が高くなります。

40歳になったら目の検診を受けることをお勧めします。

健康診断で異常所見があれば、眼科で詳しい検査を受けましょう。



以上、緑内障について、の後半でした。



また明日から頑張ります!

院長の蓮見でした。




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