こんばんは。視野検査が苦手、疲れるから嫌い、視野検査はなるべくやりたくない…、そんなお声をよく頂きます。
それでも視野検査は緑内障の進行を見るために必須の検査で、いわば皆さんがちゃんと毎日点眼出来ているかの試験のようなものなのです。当院ではなるべく半年ごとにやって頂くようにしています。
今日は当院で採用している興和という会社のAP7700という視野計の新機能につきセミナーがありました。視野計は外国製の製品が主流ですが、興和の視野計は国産であることと、日本人のデータベースを使用しているという理由から、こちらの機種を採用しています。
この度新たに搭載されたスマートストラテジーは、検査の信頼性を担保しながらも、検査時間を約40パーセント短縮できるという機能です。
視野検査は受けた方はご存じと思いますが、暗い部屋で白いドームの中に入って片目を目隠しされ、単調な機械音が繰り返される中、様々な明るさの光が、四方八方にランダムに出現し、それを見たらボタンを押すという拷問のようなゲームです。(自分で書いていてもひどいことしてるなあという気がしてきました)
それを両眼やると10分から15分くらいかかります。普通の人でも疲れますが、特にご高齢の方は疲れてエラーが多くなってしまう、押し間違いがあるとそれを確認するためさらに時間が伸びる、疲れて押し間違えがさらに増えるという悪循環に陥ります。
エラーが多いと正確な診断が出来ませんので、疲れないように姿勢を工夫する、間に休憩を入れるなどの配慮はしているのですが、検査はいったん始めるとなかなか中断も難しいということもあります。
そんな方のために、昨年スマートストラテジーを導入しました。しかし検査が短くても検査の信頼性が低下してしまわないか、それが心配でした。本日のセミナーは、従来のモードと比較して、どんな年代の方でも、緑内障の病期が進行していても、遜色なくスマートストラテジーで検査が可能であるとの内容でした。
検査の信頼性が保たれるなら、短い時間で苦痛なく終わる方が良いに決まっていますよね。今後は新しい機能ももっと活用していきたいと思いました。
また、毎日の点眼も種類が増えてくると時間がかかったり忘れたりしてしまうというお声もよく聞きます。今度2種類の薬を1つにまとめた合剤が発売されるという情報もありました。また機会がありましたらブログでもご紹介したいと思います。
緑内障の治療は基本的には一生続きます。なるべく少ない負担で、無理のない治療をしていけるように、患者さんをサポートしていきたいと思います。
本日もブログをご覧いただきありがとうございました!