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執筆者の写真HASUMI

先天性睫毛内反症(逆さまつげ)の手術後経過

更新日:8月4日


今回は若い方の先天性睫毛内反症(逆さまつげ)の術後経過のご紹介です。

逆さまつげの記事がないので最近受けた方にお願いしたところ、写真の使用を許可してくださいました。ご協力ありがとうございます!


術前の写真です。先天性の逆さまつ毛の方は睫毛の生える向きが上を向いてしまうのです。そのため、睫毛がいつも目に刺さりゴロゴロちくちくします。角膜(黒目)にも傷がつき、ひどいと混濁を起こしてしまうこともあります。




青い写真はフルオレセインという染色液で角膜の傷を見やすくしていますが、睫毛が当たっていることが確認できますね。





この方はLid margin splittingという方法と、切開法で睫毛の根本の皮下と瞼板を縫合するHotz変法という方法を併用して行いました。翌日の写真は目の際が赤くてちょっとびっくりするかもしれませんが、切れているところは肉が盛り上がって治りますので安心してください。


手術の翌日に受診して、眼帯を外し出血が止まっているか確認します。術後のケアは上眼瞼の手術と同じで、軟膏1日5~6回塗布を自分で行っていただきます。翌日から水洗い洗顔、シャンプー、シャワー浴は可能です。1週間後に抜糸を行いますので再度受診が必要です。




4か月間の経過では、傷はいったん赤く盛り上がって、その後は赤みは引いていき、傷の凸凹感も薄れていきますが、切開した部分はしわとなって残ります。目の際なら目立たないのですが、目の際に近すぎると矯正効果が薄れて戻りやすくなってしまうので2ミリくらい離して切開します。しかしその傷が目立ってしまうのが難点です。


下の逆睫毛の手術はどの方法で行っても再発しやすいのでいろいろな方法がありますが、逆にこれをやれば大丈夫という方法がないとも言えます。最近はこの併用の方法で、逆睫毛の戻りは少なくなりましたが、傷跡が残ってもQOLはだいぶ低下しますので悩ましい問題です。



この方は1か月の時点では傷が赤く線が乱れているという訴えがありましたが、時間の経過で落ち着いたようです。4か月後の現在は、まだ左が赤くなることがあるそうですが、今後も赤みは時間とともに引いていくと考えられますのでもうしばらくの辛抱です。睫毛は入らなくなって快適に過ごしているということで、写真の使用も快諾してくださいました。



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元町マリン眼科では逆さまつ毛や眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。

眼瞼下垂手術は下垂による症状があり、診断基準を満たせば保険適応での手術が可能です。

  • 瞼が下がって視界が狭い。

  • 上の方や横の方が見にくい。

  • テレビや本を見ていると瞼がつぶれてくるので手で持ち上げている。

  • おでこや頭に力が入って頭痛や肩こりが取れない。

  • 睫毛が被さって見にくい、あるいは睫毛が良く入る。

などが代表的な症状です。 眼瞼下垂でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。 逆さまつ毛手術について 手術の費用:3割負担で片眼で18000円前後です。両眼はその倍です。 また、初診時に感染症チェックのための採血を行います。初診料と合わせて4、5千円程度かかります。 手術時間は片眼で30分程度で、局所麻酔下に行います。 ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。1ヶ月位は朝むくんだり、まぶたが赤いなどの症状が見られることがあります。傷の赤みは半年くらいで徐々に改善していきます。 リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。


この記事の執筆者


元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子

所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)












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