今回は、上の逆まつげに対してまず目頭切開、その後重瞼形成を予定で行った方のご紹介です。*患者さんの了承を得てお写真を掲載しております。ご協力ありがとうございました!
術前のお写真ですが、逆まつげがよく目に入って困っているということで相談にいらっしゃいました。完全な一重で、目頭側の皮膚の突っ張り(蒙古襞)が強く、二重が出来づらいお目元だったので、まず、目頭切開を行って、蒙古襞のつっぱりを改善してから重瞼形成を行う2段階の手術を提案しました。
目頭切開の翌日です。術式はZ形成という方法で行っています。
傷跡は小さいので腫れも殆どなく、翌日診察の後に学校やお仕事にも普通に行く方も多いです。
抜糸の時に、全切開による重瞼形成を行いました。
術前の写真です。
1週間後の抜糸時の写真です。この時に、2週間前に行った目頭切開の傷は少し膨らんで目立っています。このように、目頭の傷は顔の真ん中にあるので目立ちやすいため、しばらく傷跡の盛り上がりや赤み、色素沈着が目立つ期間があることに留意しなければなりません。しかし、ずっとこの状態ということはなく、傷はだんだん落ち着いてよく見ないと傷跡はわからないようにはなります。
1ヶ月後は膨らみは落ち着いてきましたが、左目頭の色調の変化が少し目立っています。
スリットランプで見た画像です。傷跡の色素脱失と、傷の周りの炎症後色素沈着がまだらに見えるので傷が余計に白く目立ってしまっています。
炎症性色素沈着は時間とともに薄くなりますが、当院では傷を隠すためのコンシーラーにハイドロキノンというメラニン産生抑制する美白成分の入ったものを販売しておりますので、早くきれいにしたい方にはおすすめしております。
2ヶ月後には少し色素沈着が改善してきて、目立たなくなってきたということでした。
二重まぶたの幅もだいぶ落ち着いてきて腫れ感はなくなってきています。
4ヶ月後の状態です。
目は開けやすくなって逆まつげは改善した、と手術には満足していただきました。
目頭の傷ももう心配ないとのことで晴れて卒業となりました。
スリット写真ではこのように睫毛の向きも改善しております。
Z形成はどうしても傷が目立つ期間があり、その間はお互いに心配になってしまうので、最近は他の方法でやっているのですが、先日眼形成外科学会の研修会に行った時に、形成外科の先生に何で目頭をやっているか伺ったところ、ほぼZしかやってないとのこと、理由は元に戻すことが可能だから、とのことでした。確かに皮膚を切除してしまうと、元に戻すためには他の部分から皮弁持って来るなどが必要になります。
逆に考えれば、余剰皮膚が多くて、明らかに皮膚を取るべき症例にはRedraping法などの皮膚切除する術式を選択するのが正解なのかもです。眼瞼下垂もいろんな術式があり、それぞれ適応症例が異なるので、目頭の形状によって方法を使い分けるのが一番正しいのかもしれませんね。
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元町マリン眼科では逆さまつげや眼瞼下垂症の日帰り手術を行っております。 眼瞼下垂手術は下垂による症状があり、診断基準を満たせば保険適応での手術が可能です。
瞼が下がって視界が狭い。
上の方や横の方が見にくい。
テレビや本を見ていると瞼がつぶれてくるので手で持ち上げている。
おでこや頭に力が入って頭痛や肩こりが取れない。
睫毛が被さって見にくい、あるいは睫毛が良く入る。
などが代表的な症状です。 眼瞼下垂でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。 眼瞼下垂手術について 手術の費用:3割負担で両眼で50000円前後、1割、2割負担の方は自己負担上限金額です。 また、眼瞼下垂を伴う全身疾患が疑われる場合は初診時に採血を行います。初診料と合わせて6~7千円程度かかります。 手術時間は両眼で1時間程度で、局所麻酔下に行います。 ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。1ヶ月位は朝むくんだり、まぶたが赤いなどの症状が見られることがあります。傷の赤みは半年くらいで徐々に改善していきます。 リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。
この記事の執筆者
元町マリン眼科
院長 蓮見由紀子
所属学会・認定医
医学博士
日本眼科学会認定専門医
横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)