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執筆者の写真HASUMI

顔面神経麻痺の後遺症としての眼瞼下垂

今回は、子供の頃に顔面神経麻痺になった既往のある方の眼瞼下垂治療の経過をご紹介します。

患者様に了承を得てお写真を掲載しております。ご協力ありがとうございます!



顔面神経麻痺後の眼瞼下垂の症例




今回の患者様は、子供の頃顔面神経麻痺の既往があるとのことですが、2年ほど前から右目が重く、まぶたがかぶさるようになってきたそうです。麻痺の後遺症で、眉毛が上がらなくなっているんですね。神経が正常な左目は、かぶさる瞼をおでこで代償しているので眉毛が上がっています。

2年前くらいから皮膚が余ってきたタイミングで下垂症状が進行してきたのでしょうね。皮膚を切除したいところですが眉下切開でやると眉毛の高さの左右差が顕著になりそうです。そこで、左に合わせる形で重瞼形成と少し挙筋短縮もすることにしました。






術後の経過ですが、翌日はヘリングの法則が働いて左が下がっています。ということは、術前は右目が開けづらいことで左はヘリングで眉毛が上がっていたということですね。術後右が開けやすくなったことで、左の過開大が治って、左の眉が下がったということなんだと思います。このように術後眉毛がどうなるか、というのはなかなか予測が難しいですが、一般的にはずっと眉毛を挙げる癖が長い方はなかなか術後に眉毛が下がりにくい印象です。



1ヶ月後の再診時にはほとんど腫れもなく、経過は良好で御本人も喜んでくださいました。3ヶ月後にはもっと腫れも引いて自然になっていると思われます。お写真のご協力誠にありがとうございました。



周りに気が付かれない眼瞼下垂手術


今日も1ヶ月前に手術をした方が再診でお見えになり(別の方)、もちろん職場でも誰も気が付かず、手術をすることを話していた娘さんも全然気が付かなかったそうです。美容整形では、誰にも気が付かれなかったら失敗かもしれませんが、眼瞼下垂の手術はなるべく顔が変わらない方がいいし、そうあるべきと思いますので、「誰にも気が付かれなかった、でもすごく見やすくなりました」と言っていただけるのが私にとっての最大の賛辞です。


しかし、顔の造りの問題で見にくいのであればある程度は二重にしたり、目頭を切ったりする必要はあります。同じ顔の方は二人といませんので、この手術は究極のカスタマイズ手術であると言えます。眼瞼下垂の診断基準を満たしていれば、手術は保険診療で受けられます。

眼瞼下垂でお悩みの方はまずはカウンセリングにお越し下さい。執刀経験豊富な術者がお一人お一人に合うと思われる術式を提案させていただきます。



保険診療で受けられる眼瞼下垂手術



夏休みの予約状況ですが、7月中はほぼ埋まってまいりました。8月のお盆前はまだ余裕があります。お盆休み前や休み中に手術を受けたい方はお早めに相談にお越し下さい。当院では眼瞼下垂症の鑑別のための採血を行い、結果をお伝えしてから手術のご予約としております。そのため、少なくとも初診から手術日までは最短でも2週間はかかります。



元町マリン眼科では、眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。

眼瞼下垂手術は下垂による症状があり、診断基準を満たせば保険適応での手術が可能です。


  • 瞼が下がって視界が狭い。

  • 上の方や横の方が見にくい。

  • テレビや本を見ていると瞼がつぶれてくるので手で持ち上げている。

  • おでこや頭に力が入って頭痛や肩こりが取れない。

  • 睫毛が被さって見にくい、あるいは睫毛が良く入る。

などが代表的な症状です。眼瞼下垂でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。


眼瞼下垂手術について


手術の費用:3割負担で両眼で50000円前後、1割、2割負担の方は自己負担上限金額です。また、眼瞼下垂を伴う全身疾患が疑われる場合は初診時に採血を行います。初診料と合わせて6~7千円程度かかります。


手術時間は両眼で1時間程度で、局所麻酔下に行います。


ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。1ヶ月位は朝むくんだり、まぶたが赤いなどの症状が見られることがあります。傷の赤みは半年くらいで徐々に改善していきます。


リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。


この記事の執筆者


元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子



所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)









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