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顔面神経麻痺後の眼瞼下垂

更新日:2022年4月26日

こんばんは。院長の蓮見です。


顔面神経麻痺とは、ある日突然発症する片側の顔面の筋肉の麻痺で、発症すると患側の表情が無くなり、瞬きが出来ない、水を飲むとこぼれる、などといった症状がおこります。

顔面神経麻痺は痛みは伴いませんが、麻痺に先行して耳の後ろに痛みがあることがあるそうです。


顔面神経麻痺の原因は多くはウイルス性、とくにヘルペスが有名です。

単純ヘルペス、帯状疱疹ウイルスともに顔面神経麻痺を起こしますが、帯状疱疹ウイルスによるものはラムゼイハント症候群と呼ばれ、耳にも症状が現れます。

その他のウイルス性の原因としては,コクサッキーウイルス,サイトメガロウイルスアデノウイルスエプスタイン-バームンプス風疹,B型インフルエンザウイルスなどがあります。

また、非感染性の原因もあり、糖尿病やサルコイドーシスも鑑別に挙がります。



顔面神経麻痺を発症したら、まず皆さん脳外や神経内科に行くでしょう。そのため初発で眼科に来る方はまれです。

しかし、瞼を閉じることが出来ないため、いずれ眼科を受診することになります。瞼を閉じることが出来ないと、眼球がひどく乾燥して角膜に傷がついて常にゴロゴロして痛みを生じます。


予後ですが、完治する方もいますが、麻痺が様々な程度で残る方も大勢います。瞼が閉じない方は夜瞼を閉じるテープを貼って眠る方もいます。またドライアイの点眼を必要とする人が多いです。


瞼については、意外でしょうが、すぐには眼瞼下垂にはなりません。それは瞼を持ち上げる筋肉である上眼瞼挙筋は動眼神経支配だからです。しかしおでこにしわを寄せる前頭筋は顔面神経支配なのです。ですから、瞼が重たくなってきておでこで代償する年齢になってくると、眼瞼下垂になります。



今回の方は右眼がうっとおしい、瞼が重いと言う事で受診された方です。既往に右の帯状疱疹後の顔面神経麻痺がありました。

*ご本人の了承を得て写真を掲載しております。写真のご協力ありがとうございました!



向かって左側の瞼が重く垂れさがっています。このくらい皮膚が被さっていればおでこで持ち上げて代償するところですが、右側はそれが出来ないのです。左はおでこに横じわがみられます。加えて、この方は左眼はうっすら二重でそのせいでうまく持ち上がっていますが、右は完全に瞼が垂れ下がっています。


この方には右の眉下切開をお勧めしました。

左眼も、右をやると重たさが気になるかもしれないので、左も一緒にやってもいいかもですよ、と伝えたのですが、今回は右だけでいいとの事。





右の抜糸後1か月です。右瞼が軽くなり、視界が良くなりました。余談ですが、頬のいぼも当院で除去しました(自由診療)。



しばらくして、やはり左の重さが気になると、左も手術を希望されました。左は瞼が重いので、眉毛が上がってしまっていますね。目尻側の被さりを取るため、やはり眉下切開を行いました。




左の抜糸直後です。眉毛の位置は下がって左右差が目立たなくなりました。




左の1か月後です。すっかり腫れも良くなり、両眼ともパッチリしました。

最初の写真と比較するとだいぶ若々しい印象です。ご本人に術前のお写真をお見せすると「誰?って感じ」と驚いていました。

*術後の経過や結果には個人差があります。



顔面神経麻痺後の顔の左右差は完全になくすことは難しいですが、それでもなるべく左右差を目立たなくすることを目指す手術を心掛けています。残っている機能と、お顔立ちに合わせて手術方法を提案します。

顔面神経麻痺の後遺症にお悩みの方は是非相談にお越し下さい。



元町マリン眼科では、眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。

眼瞼下垂手術は下垂による症状があり、診断基準を満たせば保険適応での手術が可能です。


  • 瞼が下がって視界が狭い。

  • 上の方や横の方が見にくい。

  • テレビや本を見ていると瞼がつぶれてくるので手で持ち上げている。

  • おでこや頭に力が入って頭痛や肩こりが取れない。

  • 睫毛が被さって見にくい、あるいは睫毛が良く入る。

などが代表的な症状です。

眼瞼下垂でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。



眼瞼下垂手術について


手術の費用:3割負担で両眼で50000円前後、1割、2割負担の方は自己負担上限金額です。

また、眼瞼下垂を伴う全身疾患が疑われる場合は初診時に採血を行います。初診料と合わせて6千円程度かかります。



手術時間は両眼で1時間程度で、局所麻酔下に行います。


ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は1~2週間で徐々に軽快します。


リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。






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